【首の疲労は副交感神経を乱す】
【首の疲労は副交感神経を乱す】
・慢性の「首こり」が鬱と体調不良を引き起こす。
長時間のデスクワークやスマホの見過ぎで、肩や首の痛みやコリが慢性化している人は多いでしょう。
慢性化した「コリ」を放置しておくと、大きく体調を崩してしまうきっかけになります。
『スマホ首が自律神経を壊す』の著者 松井孝嘉医師(脳神経外科医)は、
「首こり病が悪化すると、90%以上の人にうつ症状が起こる」とも言われています。
・「首こり」と気分障害
近年増え続ける「鬱症状」も「首こり」との関係があるといわれています。
首の不調は、自律神経の乱れに大きくかかわっているということなんです。
自律神経は私たちの身体を動かしている大切な機能です。
内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経であり、
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」とのふたつがあります。
この自律神経の働きに異常が生じる状態を「自律神経失調症」といいます。
体調を整え健康で過ごすためにできることは、首に存在する「副交感神経センター」
という重要なポイントを整えることだと、松井孝嘉医師は説明されています。
<首こり病がひきおこす17の疾患>
緊張型頭痛/めまい/自律神経失調症/うつ/多汗症/
慢性疲労症候群/過敏性腸症候群/ムチウチ/パニック障害/
不眠症/血圧不安定/機能性胃腸症/ドライアイ/機能性食道嚥下障害/
ドライマウス/更年期障害 などが挙げられています。
《今日からできる「首コリ緩和体操」》
体操を行う前にしっかり首を温めましょう。
デスクワークが続き、首のこりや違和感を感じたら40℃前後の蒸しタオルなどで温めるのが効果的です。
電子レンジで温められる首用のホットパックなどもいいでしょう。
ネックレスなどを着けておこなうと火傷をする場合がありますので注意して行いましょう。
ストレッチは緊張した筋肉・筋膜をゆっくり、ジワッーと気持ち良く伸ばすことで、
血液やリンパの流れを良くして、心と体をリラックスさせる運動です。
①首を左右に倒す。
耳を肩に着けるイメージで左右両方行います。
次に手で頭を軽く押してあげ、左右へ倒します。
②首を前後に倒す
ゆっくりと頭を後ろへ倒します。
次に首をまっすぐに戻し、前へ倒します。
次に手を補助として使います。
首を後ろへ倒す時に、アゴを親指で上へ上げるようにすると首が後ろへ深く倒れるようになります。
次は前へ倒す際に後頭部に両手を回し前へ押すように補助します。
決して無理に押し込むように力を入れないようにしましょう。
③首を左右に捻る
首を左にねじって顎を左の鎖骨に近づけ、そのまま数秒維持します。
ゆっくり元に戻したら、反対側も同じようにねじります。
④首をゆっくり回す。
頭の重さを感じながら、ゆっくりと一周回します。
右回り、左回りと行います。
・仕事の休憩時間やスマホを見た後は、行うようにしてみましょう。
・回数などは気にせずに気持ちのいい程度におこないましょう。
・強い違和感を感じるような場合は無理に行うことは控えましょう。
■松井 孝嘉(まつい たかよし)医学博士
プロフィール
・東京脳神経センター理事長
・松井病院理事長
・東京大学医学部卒業
・医学博士
・脳神経外科医
<主な著書>
「「スマホ首」が自律神経を壊す」(祥伝社)、
「慢性疲労は首で治せる!」(角川新書)、
「首こりは万病のもと」(幻冬舎新書)、
「1日5分 副交感神経アップで健康になれる!」(朝日新聞出版)
ほか23冊。