《導引のススメ②》【原文】
2019-09-18
日用養生訓
~現代に活かす「養生訓」の教え~
養生訓 [五官]より【導引の方法】の【原文】を先にご紹介します。
後で意訳文と解説を掲載したいと思います。
本日は【導引の方法】についての【原文】のみとなります。
《 導引のススメ② 》
「導引の法を毎日行へば、気をめぐらし、食を消して、積聚(しゃくじゅ)を生ぜず。
朝いまだおきざる時、両足をのべ、濁気をはき出し、おきて坐し、
頭を仰(あおのき)て、両手をくみ、向(むこう)へ張出し、上に向ふべし。
歯をしばしばたゝき、左右の手にて、項(うなじ)をかはるがはるおす。
其次に両肩をあげ、くびを縮め、目をふさぎて、俄(にわか)に肩を下へさぐる事、三度。
次に面(かお)を、両手にて、度々なで下ろし、目を、目がしらより目じりに、しばしばなで、
鼻を、両手の中指にて六七度なで、耳輪(じりん)を、両手の両指にて挟み、なで下ろす事六七度、
両手の中指を両耳に入、さぐり、しばしふさぎて両へひらき、両手をくみ、左へ引ときは、
かうべ右をかへり見、右へ引ときは、左へかへりみる。此如する事各三度。
次に手の背にて、左右の腰の上、京門(けいもん)のあたりを、すぢかひに、下に十余度なで下し、
次に両手を以、腰を按す。両手の掌(たなごころ)にて、腰の上下をしばしばなで下す。
是食気をめぐらし、気を下す。
次に手を以、臀の上を、やはらかに打事十余度。
次に股膝を撫くだし、両手をくんで、三里(:膝頭の下)の辺をかゝえ、
足を先へふみ出し、左右の手を前へ引、左右の足、ともに、此如する事しばしばすべし。
次に左右の手を以、左右のはぎ(:すね)の表裏を、なで下す事数度。
次に足の心(うら)湧泉(ゆせん)の穴と云、片足の五指を片手にてにぎり、
湧泉の穴を左手にて右をなで、右手にて左をなづる事、各数十度。
又、両足の大指をよく引、残る指をもひねる。是術者のする導引の術なり。
閑暇ある人は日々かくの如す。又、奴婢児童にをしへてはぎをなでさせ、
足心(あしのうら)をしきりにすらせ、熱生じてやむ。又、足の指を引(ひか)しむ。
朝夕此如すれば、気下り、気めぐり、足の痛を治す。甚(はなはだ)益あり。
遠方へ歩行せんとする時、又は歩行して後、足心(あしのうら)を右のごとく按(お)すべし。」
次回より、意訳と解説を掲載します。