日本の伝統食文化 《鰹節の効果》
日本の伝統食文化《鰹節の効果》
世界が注目「UMAMI」のパワー
◆鰹節の健康パワー
疲労回復の薬膳スープの元
「味噌汁」を作る時にもう一つ大切なものに「出汁」があります。
出汁は種類も豊富で、料理には欠かせない天然の調味料です。
もっとも健康効果の高い「出汁」は「鰹出し」でしょう。
「鰹だし」には「ヒスチジン」という成分が多く含まれていて、胃の運動を促進してくれます。
昆布や煮干しと並び日本料理に欠かせない「鰹節」は、
うま味成分のイノシン酸を多く含み料理をひきたててくれます。
「鰹だし」は血流を促す作用があり、さまざまな疲労の回復を促すということがわかっています。
肉体的な疲労や精神的な疲労、眼精疲労が改善するという報告もあります。
ラットの実験では、高脂肪・高砂糖食を与えたラットは「鰹だし」を嫌う行動がみられるが、
「鰹出し」の摂取が習慣化したラットでは、高カロリー食を与えても食習慣に大きな影響がなく、
高脂肪・高砂糖を好むような行動が出ないということが報告されています。
このことからわかることは、「鰹だし」は、食べ過ぎを防ぐ効果があり、肥満やダイエット効果も期待できるということです。
ストレスから間食や甘いモノをやめられなく、中性脂肪やコレステロール高位が気になる方には「鰹だしの味噌汁」は最高の食材になります。
総務省によると、国内のかつお節の消費量は、日本人の食習慣の変化から最近20年で約3割減少しているとあります。
食の欧米化により日本人の脂質摂取量は増え、摂取過剰によって血清脂質が異常値を示す脂質異常症という状態に陥っている人が増加しています。
このことは、肥満・糖尿病・高血圧・動脈硬化・心筋梗塞など成人病と深くかかわっているのです。
「鰹だし」はこれらの成人病の予防と改善に効果があるのです。
●日本の出汁の誕生
出汁の素材である「昆布」と「かつお」は700年代に初めて文献にて確認されています。
その後、江戸時代中期に「昆布とかつお節」を合わせた出汁が登場しました。
「出汁」のことを「下地」や「甘湯」と呼ぶこともあったようです。
●世界から注目「UMAMI」
「うま味UMAMI」という言葉をご存知ですか?
日本の食文化の根幹ともいえる「出汁」は、このうま味を存分に生かす偉大な発明品であり、
日本の伝統食を支える「出汁」は必要不可欠です。
日本では、主な出汁の素材は、「昆布・鰹節・煮干し・椎茸などです。
和食には欠かせない「旨味」と聞けば、ダシのじんわりした味わいを思い浮かべますが、
世界的に注目されている「UMAMI」とは、単なるおいしさを示す「旨味」のことではなく、
甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本味に新しく加わったのが第5の味覚「うまみ」なのです。
●うまみ成分の正体とは?
19世紀以前は、旨味の存在が科学的に立証されていませんでしたが、
1908年に東京帝国大学(東京大学)教授の池田菊苗によって「昆布」から旨味物質「グルタミン酸」が発見されました。
その後、1913年に「鰹節」から「イノシン酸」が発見され、
1957年に、シイタケ中から「グアニル酸」が新たな旨味成分であることを発見されました。
◆最高の合わせ出汁「鰹」と「昆布」
出汁には様々な種類がありますが、その中でも最高の合わせ出汁は「鰹出汁」と「昆布出汁」です。
「昆布出汁」と「鰹出汁」の合わせ出汁は、旨味成分である「グルタミン酸」と「イノシン酸」が組み合わさることで相乗効果を発揮し、
さらにカツオ出汁と昆布出汁の体にいい効果をそれぞれ得ることができます。
「鰹出汁」には、ヒスチジン・アンセリンが含まれていて、血流を改善して肩こりや眼精疲労、疲労回復に効果が期待できます。
仕事や勉強の後など疲れた時に飲むのがおすすめです。
「昆布出汁」には。アルギン酸という過剰な脂肪の摂取や血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
黄金の配合率は1:1 だそうです。
◆脳内ホルモンの原料を含むカツオ節の効果
鰹節に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」は脳内の三大神経伝達物質の原料となります。
「トリプトファン」は、幸せホルモン「セロトニン」の原料であり、脳は緊張やストレスの軽減させます。
トリプトファンは、日中は脳内で「セロトニン」に変化し、夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化します。
そのため、トリプトファンが不足すると、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。
また、「トリプトファン」には活性酸素を除去する働きがあるとされ、アンチエイジング効果も期待できます。
このほか更年期症状や月経前症候群の緩和、コレステロールや血圧の調整などにも効果があるといわれています。
最近では鎮痛効果があることもわかってきました。
◆栄養素豊富な「昆布」 大腸がんリスクも軽減
昆布には、グルタミン酸が含まれます。
このグルタミン酸は、胃の動きを活発にし腸では消化吸収を促したり、腸の粘膜の保護や細菌などが体内に入るのを防いだりしています。
その他の栄養素では、ビタミンA、B2、カリウムなどのミネラルも多く含まれています。
ビタミンAはとり目などにも良いですが、体内の粘膜を強化して、カゼ、がんなどを防ぐ効果もあります。
オランダで行われたある研究によると、
食事からのグルタミン酸の摂取量が1%増えるごとに大腸癌を発症するリスクが低下するとも報告があります。
カリウムは血圧を下げる効果があります。昆布にはカルシウムなどの無機質も非常に多く含まれています。
カルシウムは骨のもとですから、特に中年以降の女性にも必要です。
女性の体は閉経期をすぎると、カルシウムを骨にとどめておくホルモンが分泌されなくなるので、骨がスポンジのような状態になります。
骨がもろくなり骨折や腰痛・骨の変形などの原因になりますから特に女性には必須です。
◆出汁に使われる素材
●煮干し(いりこ)
同じ魚系だしのかつお節に比べると、安価で手に入りやすい煮干し。
旨み成分のイノシン酸はかつお節の約2倍、カルシウム・鉄・ビタミンD・たんぱく質などが豊富に含まれて、
栄養価が高いのが特徴です。
かつお節よりも独特の魚の香りが強く、味噌汁によく使われます。
一般的なイワシの煮干しの他に、地方によってアジ、鯛、飛魚(あご)などの煮干しもあります。
●干し椎茸
干し椎茸の種類は、肉厚で歯ごたえが楽しめる冬茹(どんこ)と、
肉が薄くちらし寿司や炒め物などに使われる香信(こうしん)に分かれます。
椎茸は、干すことによって味・香り・旨みが深まります。
干し椎茸の旨み成分“グアニル酸”は過熱すると旨みが増す特徴があり、
煮物や麺つゆなどの出汁に少し加えると干し椎茸独特の香りと旨みが加わります。
干し椎茸の出汁は、干し椎茸を戻した時にできる戻し汁を出汁や煮汁として使用します。
◆終わりに
日本の料理に欠かせないお出汁は、私たち日本人の日々の食生活を豊かなものにしてくれています。
同時に昆布、かつお節、干し椎茸、煮干しなど天然素材は、味噌と合わせて健康効果の高いものです。
天然素材を使って作る味噌汁は最高の健康スースであり、日本人の体質にもっとも適したスープです。
毎朝一杯の味噌汁は、健康で毎日を過ごすためになくてはならないものだということに気づいていただければ嬉しく思います。