日本の伝統食文化 《味噌汁の効果》
◆日本食の王様『味噌汁』
心と身体の健康を支ええる栄養が豊富
味噌汁が体にいいということは何となく知っていますが、
毎日飲むことによるメリットとはいったいどのようなものなのでしょうか?
味噌は豊富な栄養素を含み、その効果効能から「医者いらず」と言い伝えられていることをご存知ですか?
日本人には馴染み深い食品なので、毎日何かしらの形で食べている方も多いのではないでしょうか。
味噌は医学や栄養学の面からもその効果を次々と発表され、
最近では日本を代表するパワーフードとして注目されています。
◆メラノイジンの抗酸化パワー
昔から完熟の三年味噌 (赤味噌)を毎日とると健康にいいといわれます。
赤味噌の色は赤~黒のように濃い色をしています。
これは熟成の過程で起こる「メイラード反応」(アミノ酸と糖の反応)によって生じる「メラノイジン」という成分の影響です。
メラノイジンは抗酸化力が強く、細胞のDNAが過剰な活性酸素によって壊れるのを防ぎます。
その結果アンチエイジングになり、美肌を保つといわれるのです。
脂質の酸化を防ぎ、コレステロール値を下げるので、血流がよくなり血糖値の急上昇を防ぎます。
その結果、動脈硬化や心臓病、糖尿病などの生活習慣病の予防対策にもなります。
それに加えてメラノイジンは、腸内の環境を整えて便秘を改善する作用もあるといわれます。
◆健康の基礎は朝の「味噌汁」から始まる。
味噌汁を朝に摂取することで、脳の働きを活発にし集中力や記憶力を高めることができます。
成長期の子供だけでなく働き盛りの大人の方にも大切なことです。
「味噌汁」を摂取すると血液中の酸素濃度も増え、身体の隅々まで酸素がいきわたることで全身の代謝が向上するのです。
また、味噌汁を中心とした定番の和食を朝に食べることは、実は眠りの質を高めるためにも大切です。
バランスのよい朝食をとれば、約14~16時間後に睡眠に関わるホルモン「メラトニン」を生成分泌させることができるのです。
睡眠ホルモン「メラトニン」は、必須アミノ酸である「トリプトファン」という栄養素から合成されます。
「トリプトファン」は体内に入ると、精神を安定させる働きのある「セロトニン」というホルモンに変わり自律神経の安定に働きます。
つまり「トリプトファン」を多くとることで「セロトニン」や「メラトニン」が多く分泌され、
眠りにつきやすくなり、質のいい睡眠がとれるようになることで、次の日の活力になるのです。
このように朝の味噌汁は活力と休息の源になり私たち日本人の体の基礎から支えているということなのです。
◆「トリプトファン」は食品から摂取する!
「トリプトファン」は体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。
食べ物から摂取した「トリプトファン」は日中は脳内で「セロトニン」に変化し、
夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化します。
「トリプトファン」が「セロトニン」になる際にはビタミンB6の助けを借りるので、
タンパク質を摂る時に、玄米、大豆、青魚、ニンニク、生姜等のビタミンB6を摂ると効果的です。
◆トリプトファンを多く含む食品
大豆製品(豆腐・納豆・味噌・豆乳など)
鶏卵、魚卵(タラコなど)
ナッツ類(アーモンド・クルミなど)
ゴマ、はちみつ、白米など
果物類(バナナ、マンゴー、ココナッツ
豆乳・そばなど
◆ビタミンB6を多く含む食品
魚類(サケ・サンマ・イワシ・マグロ・カツオなど)さつまいも・ニンニク、牛レバー、鶏肉など
現在の研究では「トリプトファン」は脳の活動に関わり痛みの緩和・安静な睡眠・不安の解消を助けることが分かっています。
また、免疫系の働きに関わり、ガンを予防し、心臓病に有効であるとして注目されています。
そのほか、コレステロールや血圧のコントロール、更年期障害の症状の緩和、
アルツハイマーやパーキンソン病、エイズまで幅広い症状の改善にきわめて希望がもてるという研究結果も報告されています。
このように古来から伝わる日本の伝統食は理想的な食体系なのです。
日本の朝食「ごはん、お味噌汁、焼き魚、卵料理(生卵)、焼き海苔や佃煮、漬物やお浸し」は最高の健康食なのです。
活力に満ち元気よく、気分の爽快で愉快に明るく毎日を生活していくために食習慣を見直してみましょう。
◆減塩の弊害~
高血圧の方は医師より必ず「減塩」言われ、1日の食塩摂取量は10g以下が目標と言われます。
しかし、減塩について調べると10gという数値に科学的な根拠はないのです。
逆に減塩によるミネラル不足で体調を崩す場合があるのです。
神経と筋肉が正常に機能するための主成分ナトリウム、酸素を運搬する赤血球には鉄、骨や筋肉の収縮にカルシウム、
その他セレン、銅、亜鉛、マグネシウム、クロム、ヨウ素など。
このミネラル群は人体の代謝に深く関わっており「基礎代謝」や「新陳代謝」には重要なミネラルなのです。
このミネラルの補給源としておすすめするのは「天然塩」に限ります。
食卓塩と呼ばれる精製塩は「塩化ナトリウムが99%以上」と表示されています。
この精製塩が身体に取り入れられると、万病の元である活性酸素が発生すると言われています。
ミネラルを補えるのは体の組成に近い「天然塩」がもっともいいのです。
「味噌」を買われる時は「天然塩」で作られた「味噌」を選ぶことが大切です。
「味噌汁」を飲まれる時に「塩」が気になるならば、野菜の具沢山の味噌汁にされればいいでしょう。
無理な減塩はカラダの活力を奪ってしまいますので注意しなければいけません。
2020年 和み座通信 第一号 より