秋の養生法
秋の養生法
東洋医学では、秋の三ヶ月を「容平」といいます。
秋は自然界の全てのものは熟して実り、安定してきます。
精神も動揺することなく、心穏やかに過ごす時期です。
「秋の三か月は、容平と呼ぶ。天高く、風が強くなり、地気は清々しく、人は早寝早起きして、ニワトリと共に目覚める。
それで感情は安寧し、秋の害を緩和させ、元気を収斂させて、秋の粛殺の気を平らげる。いろいろと考えないようにし、
肺気を清らかにする。それに逆らえば肺を傷める」
とあります。
黄帝内経 「四気調神大論」では、各季節(春夏秋冬)の季節の特徴と過ごし方が詳しく書かれています。
中でも「心持ち」=心がけ についてはとても大切なことが書かれています。
人は、常に自然の移ろいに調和し生活しています。
季節の移ろいと同じく、「心持ち」も自然と調和・同調することが大切と考えます。
●早寝早起き
秋は「早寝早起」しましょう。
春と夏は昼が長いので少しくらい夜更かししてもいいのですが、
秋は少し早く寝て、少し早く起きることを心がけましょう。
陰の気が強くなり陽の気が衰えるので、早く寝るというのは「気を養う」ことでもあるのです。
●乾燥を防ぎ、身体の中から潤いを満たす。
秋は、空気も爽やかで、空気は澄み、過ごしやすい季節です。
暑さも徐々にやわらいで身体もほっと落ち着きます。
秋は「乾燥」が気になる季節です。
収獲の時期である秋は旬の食材も豊富になります。
食養生で身体に潤いを与え、秋の乾燥から身体を守りましょう。
秋は空気が乾燥しやすい時期なので特に「肺」を中心とする呼吸器系の不調に注意が必要です。
秋は人間にとっても体力を養う「収穫」の時期であり、それと同時に「収めていく」時期でもあります。
夏のあいだ活発に動いていた陽気を体内に収める時期にあたるため、スポーツを楽しむなら適度に。
あまり動きすぎて陽気を発散しすぎる(汗をかきすぎる)ことのないようにしましょう。
●食材で養う「津液」 身体の潤いを養う。
■肺の機能を高め、潤いを保つものを摂る
秋の乾燥で失う潤い成分を補いましょう。また、血液を養う作用がある食材もオススメです。
長芋、白きくらげ、れんこん、百合根、くわい、松の実、豚肉 など
■辛味のあるものを摂る
辛味のあるものはエネルギーや血液の流れをよくし、新陳代謝を活発にしてくれます。
適量な辛さは肺の機能を向上させますが摂りすぎないように注意しましょう。
唐辛子、わさび、ネギ、紫蘇、生姜、山椒、胡椒、シナモン など
■津液(水気)を生み出すものを摂る
身体に必要な水分を津液(しんえき)といいます。
甘酸っぱいものなどを取り入れ津液(潤い)を補いましょう。
=「酸甘化陰」(さんかんかいん)といいます。
梅、杏子、レモン、ぶどう、和梨、柿、金柑、豆腐 など
●「残暑バテ対策」
■睡眠環境を整える!
睡眠時間を毎日6~8時間ほど確保し、しっかりと眠るようにしましょう。
暑くて寝苦しい場合は、我慢しないでエアコンの活用しましょう。
快適に眠るためには「温度26~28℃、湿度50%以下」が良いといわれています。
■適度に運動する!
体温の低下は自律神経の乱れを招きます。
ストレッチや30分程度の散歩など、軽めの運動を日常に取り入れるようにしましょう。
ウォーキングやジョギングを行う場合は、暑い時間帯は避け、しっかりと水分を補給してくださいね。
■食生活を整える!
暑い夏の間は、冷たい食べ物や飲み物が多くなります。
お腹を冷やし胃腸に負担をかけた人は、温かいスープや味噌汁を飲むようにしましょう。
秋に入ると旬の野菜も豊富にでてきます。
さんま、松茸、さつまいも、栗、かぼちゃ、果物では、ぶどう、柿、梨など
ビタミン・ミネラル類豊富な食材で疲れを取りましょう。
また、疲れを強く感じたときにはレモンや酢の物、梅干しなど
疲労回復を助けるクエン酸を豊富に含む食材を食べるのも良いでしょう。