西宮市 はりきゅう和み座 『東洋医学で観る“鬼滅の刃”』参ー⑤
『東洋医学で観る“鬼滅の刃” 参』1面-⑤
●鬼も悶絶する「鬼邪のツボ」
写真は、「木彫りの鬼」ですが、
足三里に、墨で黒く印がついており、
鬼が足三里の灸の熱さを我慢している
なんともいえぬ表情をしています。
上の絵は、坂田金時(さかたのきんとき)が
鬼に三里に灸を据えさせている絵です。
坂田金時の幼名は、童話でも有名な「金太郎」です。
まさかりかついだ金太郎♬その人です。
酒呑童子退治や土蜘蛛退治で活躍し、
豪快な武勇伝を残している人物とされています。
「足三里」の灸で「徒然草」を紹介しましたが、
兼好法師の言っていることは、でたらめはなく、
医学書に記載されている、根拠のあるものなのです。
本居宣長(もとおりのりなが)は
江戸時代の国学者・医師であった方ですが、
その日記、『宣長の日記』には、
「同十月上旬ヨリ、足三里・三陰交に日灸をすへ始る。
同しようひとり按摩をし始」と書かれてあります。
また、宣長は様々な書物から養生に関する事項を抜粋し、
「養生紀」に以下のようにまとめております。
一部わかりやすいように言葉を変えてご紹介します。
・「病起こらぬ前に用心すべし」
・「萬(すべて)の病は、気より生じる。
気をつかわずに、身を使うようにし、
気を晴らして、朝は早く起きて散歩し動くようにすれば
気が晴れて病を起こさない。
・「気は身体の主体である。
気は必ず巡らせることで病がおこらない。
逆に巡りが悪くなれば病が生じる。
もし七情が乱れれば、病気を起こす。」
・「無病の時は、薬を服用しないようにする。
無病の時は、ただ食事にて養うべきである。
無病の時に薬を服用すれば、
反って病を生じてしまう。
病があり、薬を服用し治れば、
それ以上に服用してはならない。」
日々の養生としての「足三里の灸」ぜひ、
実践してみてください。
本来は「艾(もぐさ)」をひねって
お灸をしてほしいのですが、
始めての場合は、
「せんねん灸」のような簡易なお灸からはじめてもいいでしょう。